佐賀県唐津市が原爆投下後の広島などの写真に「×」印を付ける資料を作っていた問題で、唐津市は28日、「不適切で配慮が欠けていた。(原爆の)被害者、関係者におわびする」と謝罪した。資料は今後使わないという。
市は「原子力災害について」というタイトルの資料のなかで、原爆が投下された後の広島などの写真を4枚重ね、赤で大きく「×」を付けていた。昨年11月、隣接する同県玄海町の九州電力玄海原発での重大事故を想定した避難訓練の際、唐津市の離島・小川島の小・中学校で、市職員が講話をする際に使用。昨年12月と今年4月にも、小学校などでの講話で使ったという。「×」印には被爆者から「意味がわからず、嫌な気持ちだ」との声が出ていた。
朝日新聞が広島平和記念資料館(広島市)の学芸員に資料を確認してもらったところ、4枚のうち3枚は、救護や救援に訪れたとみられる人たちが広島駅で休息する姿、爆心地から約2キロの派出所前で警察官が被爆した学生らの応急処置にあたる様子、がれきの中に立つ原爆ドーム(旧広島県産業奨励館)だった。
28日に記者会見した唐津市の浜口智総務部長らによると、資料は市危機管理防災課の職員が作成。写真はインターネットで見つけたものを無断で使い、出典は確認しなかったという。「殺傷能力のある原爆と、エネルギーとしての原発は仕組みが違うことを示したかった」と説明している。
問題が報じられた25日以降…
この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。
残り:197文字/全文:799文字
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル